北側道路における設計の注意点

一般的に、南側道路の土地が、

最も良い土地であると言われています。

事実、最も人気がある土地であり、

最も高く値段が設定されているのですが、

実際は、北側道路で、かつ南北に細長い土地の方が、

南側道路の土地より遥かに住みやすい家が建てやすかったりします。

というのも、南側道路の場合、

リビングが人目にさらされやすい道路面に配置されるのに対し、

北側道路の場合は、

道路と反対側にリビングが配置されるようになるため、

周囲の目をあまり気にすることがないリビングがつくりやすいからです。

また、敷地が南北に細長いと、

北側道路の最大の心配事である日当たりも確保しやすくなるからです。

 

おはようございます。

シンプルノート彦根スタジオです。

 

しかし、北側道路の場合、

南側道路の場合とは違った問題が生じやすくなるため、

その点に配慮しながら間取りを考える必要があります。

 

問題1:景観が不細工になる…

 

北側道路の最大の問題は、

景観が不細工になるということです。

家の正面となる北面が、

ゴチャゴチャしてしまいやすいからです。

 

ゴチャゴチャの原因その1

→正面の窓が高さも形もバラバラになりやすい…

「部屋は南に配置し、水回りは北に配置する」

という固定概念に従って間取りを考えると、

北側道路の場合、家の正面となる北面に水回りの窓が出来ます。

また、階段も北側に配置されることが多いため、

中途半端な高さに窓が出来やすいのも北面であり、

これに加えて、階段下にトイレを配置するとなると、

トイレの窓までも中途半端な高さに出来てしまいます。

この結果、窓の高さもサイズもバラバラのバランスの悪い外観が出来上がってしまいます…

 

ゴチャゴチャの原因その2

→余分な部材も設置されやすい…

さらに、北側に水回りを配置した場合、

換気扇のカバーが窓上に設置されることになります。

また、給湯器は水回りの近くに設置されることが多いのですが、

給湯器を水回りの近くの北面に設置してしまうと、

本来、家の裏側に隠したい給湯器の本体と室外機が、

家の正面に出てくることになります。

そして、最悪なのは、

勝手口ドアを北面に設置してしまうことです。

確かに、道路に近い場所に勝手口ドアを設置すれば、

ゴミ出しがしやすかったり、便利なのかもしれません。

しかし、本来は家の裏に設置する勝手口を表につくってしまうと、

家の表に生活感が染み出てしまうことになるし、

景観も非常に汚くなりやすくなってしまいます…

これらの理由から、北側道路の家は、

景観が不細工になってしまやすいのですが、

これだけにとどまらず、

これは、さらなる問題を引き起こす原因となります。

 

☑問題その2:家が非常に汚れやすくなってしまう…

 

これは、汚れの原因となるモノが、

家の正面にたくさん出来てしまうからです。

まず、家の汚れの原因となるのが「窓」です。

窓は、外壁よりも飛び出しているため、

その上に土ぼこりが溜まるからです。

そして、雨とともに土ぼこりが垂れ流れ、

窓の両サイドから涙のような垂れジミが出来てしまいます…

「換気扇のカバー」も窓同様に汚れの原因となります。

カバーの上に溜まった土ぼこりが

雨とともに両サイドから垂れ流れますからね。

「給湯器や室外機」なども、

非常に汚れやすい製品なので、

これらが正面にあることも、

家そのものが汚く見える原因となってしまいます。

もちろん、エアコンの室外機や、

室内機と室外機を繋ぐ配管のカバーなども、

汚れの原因となる部材なので、

エアコンを設置する方向にもしっかり配慮しながら設計しないといけないんですけどね。

これらが家の正面に出来てしまった結果、

家の正面が非常に汚れやすくなります。

また、北面は太陽が当たらないため、

その汚れが蓄積しやすい上に、

結露したりジメジメしやすいことから、

緑色のコケが付着しやすかったりもします。

そして、余計汚い家になっていってしまう…

というわけなんですよね。

 

これらの結果、

メンテナンスの周期も短くなってしまい、

150万円を超える塗装工事費用が、

余分にかかりやすくなってしまいます。

家の正面を汚いまま放置しておくのは、

なかなか堪え難い行為ですからね。

それゆえ、北側道路の場合は、

家の正面に出来るだけ汚れの原因となるモノをつくらないように設計しないといけません。

もちろん、明るさや風通しはしっかりと確保しながらです。

ということで、もしあなたが購入しようとしている土地が北側道路の場合は、

このようなことにならないように気を付けながら間取りや外観を考えてもらうようにしていただければと思います。

 

それでは…

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